令和2年1定「種苗法改正について」

2020.05.30
種苗法の改正に関する意見書
令和2年1定「種苗法改正について」
タイムリーに質問・答弁のアップができませんでしたが、
札幌市議会でも3月24日予算委員会の際、質問しました。

また、3月30日最終日には、「種苗法の改正に関する意見書」
「出願登録される新品種と農家が自家増殖する一般品種との
明確な違いを判断できない状況の下で、一般品種が登録される
可能性は否定できない。自家増殖について試験研究等の機関は
もとより農業者並びに消費者の声を広く聞くとともに、種苗法
改正の慎重な審議を行うよう要望する。」が採択されています。
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種苗法改正について(質問・答弁)
種苗法改正が3月3日に閣議決定されて、いよいよ国会での審議が始まる。
1998年に全面改訂した種苗法は、新品種の保護のために、品種登録に
関する制度、指定種苗の表示に関する規則等について定め、品種の育成の
振興と種苗の流通の適正化を図るもので、「植物における特許制度」と言われてきた。

新しい品種が作られ品種登録されると、その育成者に「育成者権」が与えられるが、
農家は例外として一部の登録品種を除き、自家増殖が認められており、自分の畑に
播くためにタネを取り、挿し木をして増やすことを許されている。

農水省のHPを見ると、農産物の品種には、一般品種と登録品種があり、一般品種
には、在来種、品種登録されたことのない品種、20年の品種登録期間が切れた品種を
さし、コメでは84%、ミカンでは98%、りんご96%などほとんどが一般品種だが、
自家増殖してはならない品種、登録品種は年々増加しており、2016年82種だった
ものが、2019年には花卉を中心に400種近くなっている。

改正の背景には、中国に苗木が流出した「シャインマスカット」や、韓国に流出し
育成者権が保護されなかったイチゴ「章姫」などのように、海外に流出しして
しまった品種は国際ルールにより、「自国での品種登録後、速やかに海外で登録」
しなければ、保護することができず、海外マーケットを失う可能性が高まる。

そこで種苗法改正により、海外に日本の品種が品種登録の出願時に輸出許可国や
国内で栽培を認める地域を指定できるようにして、使用目的による制限をかけ、
条件に反した海外への持ち出しや指定地域外での栽培は育成者権侵害となり、
悪質な場合は刑事罰を科すとしている。

また、登録品種の自家増殖は許諾性として、自家増殖(採種)が原則禁止になり、
農家は登録された品種を栽培しようとする場合、育種権利者から対価を払って
許諾を得るか、許諾が得られなければ全てのタネや苗を新しく購入することになる。

2年前に種子法廃止と同時に、「農業競争力強化支援法」が成立した。
この法律には、(独)農研機構、都道府県の優良な育種知見(知的財産権)を民間
への提供を促進するとなっており、この民間には海外の事業者も含まれている。

種子法廃止、農業競争力強化支援法の成立、そして今回の種苗法改正となると、
日本独自の農産物が海外に渡ってしまうのではと農業者を中心に危惧されている。

質問1
種苗法改正に関しては、国に対して多くの農業者から改正の中止を求める
請願などが出されているが、札幌市としてはどのように改正をとらえているのか?


答弁
『今回の種苗法改正は、植物の新品種にかかる育成者の権利侵害は近年増大し、
特色ある産地づくりや我が国の農産物輸出等にも悪影響を及ぼしているため、
育成者権の十分な保護を図ることが目的と認識。日本の野菜栽培については、
戦後の食糧増産が求められた時期から、病気に強く、収量が多く、規格に
ばらつきが少ないといった利点があることから、一代限りの交配種F1の導入が
進んだところ。市内の野菜農家において、昭和40年代から自家増産によらず
種苗会社からF1の種や苗を購入しており、農家の自家増殖が禁止になることの
影響は限定的なものととらえている。』

(一社)全国米麦改良協会調査の資料によれば、すでに北海道の水稲は100%、
小麦類も97.5%とほとんどが一代で更新されていることが分かり、札幌市の
農業では、すでに野菜類の種子はF1(一代雑種ハイブリッド)で、毎年
100%種苗会社から種苗を購入していることが分かった。

札幌市の農業は、かつて北海道農業の技術供給拠点として、発展を遂げてきた。
都市化により農地面積の縮小を余儀なくされたものの、新鮮かつ安全、良質な
農畜産物を市民に提供する都市型農業として重要な役割を果たしている。

一方で農家が自家採種により長年にわたり選抜を繰り返すなど地道な努力に
よって食の世界遺産といわれる「味の箱舟」にも登録されるまでに至った
タマネギ「札幌黄」やキャベツ「札幌大球」などは、札幌を代表する農産物と
してしっかり守っていかなくてはならないと考える。

質問2
種苗法改正が、在来種「札幌黄」や「札幌大球」に及ぼす影響について伺う。

答弁
『農林水産省の法改正案によると、地域に根付いた在来種のほか、
これまで品種登録がされなかったり、品種登録期間が切れた品種など一般品種は、
従来通り農家の自家増殖を制限しないとされていることから、「札幌黄」や
「札幌大球」の自家増殖は可能と認識している。今後も札幌ならではの
在来種が栽培できる環境を守るため、改正法の趣旨を十分踏まえるとともに、
種苗登録の動きにも注意を払ってまいりたい。』

要望
在来種や一般品種は、従来通り農家の自家増殖を制限しないとされているので、
札幌黄や札幌大球の自家増殖は可能であることが理解できた。

2018年2定の代表質問で、「主要農作物種子法の廃止について」質問し、
「種子法廃止による札幌市への影響、生産地であり、一大消費地である
札幌市として北海道における条例制定の必要性について」を伺った。

その際、副市長は、「安定的な食料の供給に種子は欠かせないものであり、
生産者はもちろん、消費者の食生活にとっても重要な問題と認識している。
札幌市では、これらを生産する農業者が今後も安定して営農できるために、
安価で優良な種子が引き続き安定供給される体制が維持されるものと考える。
安定的な食料の供給に種子は欠かせないものであり、生産者はもちろん、
消費者の食生活にとっても重要な問題と認識しており、種子法の廃止が
消費地である札幌市民の生活に影響を及ぼさないように、国や北海道の
動きを注視し、情報収集に努める。」と答弁された。

北海道が2019年4月に施行した「種子の生産に関する条例」は主要農産品に加え
独自に小豆、エンドウ、インゲン、ソバも加え、実態にそった条例にしており、
一定の歯止めはかけられたと考える。

しかし、今回の種苗法改正に関しては、国は、一連の動きについての情報提供が
不足しており、そのために、農業者と消費者の不安感がぬぐえない。

札幌市には、今回の種苗法改正について農業者や消費者である市民に対して、
国の情報不足を補完し、農業と食を守るための正しい情報の提供を求める。



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篠田江里子

篠田江里子

プロフィール

1950年東京都生まれ、横浜市、名古屋市育ち、慶応義塾大学卒業、結婚により札幌市へ。
専業主婦を経てローラアシュレイジャパンで社会人復帰、札幌・東京の店長やマネージャを務め、2006年退社。
東京赴任中、円より子主宰“女性のための政治スクール”に参加。民主党さっぽろ公募を経て2007年札幌市議会議員に初当選以来3期12年の活動。
各常任委員会委員長、予算・決算特別委員会委員長、冬季五輪招致・スポーツ振興調査特別委員会委員長、札幌市都市計画審議会委員歴任。
(家族:既婚の娘二人、母)

活動履歴

  • 札幌市DV(配偶者間暴力)被害者支援ボランティア
  • 札幌市食生活改善推進委員
  • 高齢社会を良くする女性の会、I女性会議、ゆいネット、BPW会員、SI札幌会員
  • 保護司・札幌認知症の人と家族の会
  • 環状通東商工会委員、すすきの観光協会理事
  • 国民民主党北海道女性委員長