2025年10月7日 決算特別委員会 ・ アドトラック対策について

2025.10.25
10.7
2・ アドトラック対策について
荷台部分などに広告を掲示・設置し、公道を走行しながら宣伝活動を行う車両、いわゆるアドトラックについて伺います。

・法律や条例では「広告宣伝車」と呼ばれており、トラックの荷台に大きな広告パネルやLEDディスプレイを搭載しているものが最も一般的で、車体全体を広告でラッピングしたバスや乗用車なども含まれる場合があります。
・アドトラックは、繁華街や駅前など、人通りの多い場所を走行することで、動く屋外広告として多くの人目にふれさせることを目的としており、
その多くが、大きな文字や鮮やかなデザインを車に施し、夜間には照明やLEDを点滅し、また、大音量の音楽やナレーションをスピーカーで流しているものもありました。
・近年、トラック荷台の大型スクリーンに高収入をうたう風俗関係の求人広告を表示し、札幌市の都心部、札幌駅前北口、南口から大通、すすきの、中島公園周辺において、このアドトラックが低速で繰り返し走行する姿を多く目にするようになりました。
・昼夜を問わず繁華街を走行し、その派手なラッピングや照明、音量は、多くの市民や国内外からの観光客にとっても決して心地よいものではありません。
・また、派手なアドトラックの走行は他の運転手の視界妨害や注意力の散漫を引き起こす危険性などが憂慮されます。

質問1:札幌市においてもこのようなアドトラックが走行している現状に対し、市民からどのような声が寄せられ、札幌市としてどのように受け止めているのか。また、アドトラックの広告や音楽を屋外広告物条例で規制することができないのか伺います。

答弁概要
風俗関連のアドトラックは、大都市を中心に全国的に問題となっており、本市においても市民から不快感や嫌悪感を訴える声や規制を求める声が年々増えており、札幌市としても何らかの対策が必要と考えている。
一方で、例えばホストクラブなどの風俗関連の広告であったとしても、広告内容を規制することについては、憲法が保障する「表現の自由」との兼ね合いから、極めて慎重な判断を要するものであり、また、音楽については、屋外広告物法の規制対象とはなっていないことから、法律の規制の範囲内で定めており、屋外広告物条例により規制することができないのが現状である。

・表現の自由の保障から、屋外広告物条例による規制が極めて難しいことは理解しましたが、このアドトラックの問題、特に風俗関連のアドトラックについては札幌市だけが抱えるものではなく、全国の主要都市で課題となっています。
・東京都では、良好な景観の維持や交通環境への配慮から、2024年6月から、都内ナンバーに加え、都内を走行する都外ナンバーのアドトラックについても屋外広告物条例の許可対象とし、更に、アドトラック事業者に対しては、東京都への許可申請に先立ち、公益社団法人東京屋外広告協会へ、デザインの自主審査を求める仕組みを導入しています。
・また、福岡市では、ほぼ1年かけて実態調査を行っており、4月から4か月間実施の調査結果を9月始めに明らかにしており、この調査結果では延べ202台が確認され、このうち風俗関連の広告は97%と聞いております。
・そして福岡市では、良好な景観の形成、公衆に対する危害の防止、そして市民や国内外からの観光客にとっての快適な環境を守るための規制強化にむけて動き出しています。

質問2:札幌市では、これまでアドトッラック対策として、どのような検討を行ってきたのか伺います。

答弁概要
札幌市では、これまで、東京都が導入した仕組みを検証するとともに、他の政令市とも情報交換を行うなど、アドトラック対策について、調査・研究を行ってきた。
また、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」、いわゆる「風営法」など、屋外広告物法令以外の法令による規制の可能性について、警察等とも意見交換を行ってきたが、現時点で具体的な手法を見出せていない状況である。

・昨年より首都圏の4都県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)、5政令市(横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市)では、首脳会議での合意に基づき、6回にわたりアドトラックの屋外広告物規制のあり方について検討を行っています。
・検討の結果、アドトラックの規制にあたっては、屋外広告物条例や制度に事業者等の理解が十分ではないことから、連携して広報の取組みを行い、併せて、アドトラックで使用されている灯火装置に係る「道路運送車両の保安基準」の順守に関する普及啓発について、国に要望を行っています。
・これは首都圏だけの問題ではなく、繁華街を抱える大都市に共通する課題であり、都市の有効な景観形成や公共に対する危害を防止するためには、他都市と連携し、国への働きかけも必要と考えます。
・先程も例示したように福岡市でも、東京都「屋外広告物条例」の改正を参考にしながら、規制強化の検討を始めていると聞いています。
 札幌市においても、市民の安心・安全、そして国際観光都市としての景観をもまるため、実効性のある対策を進めていくべきです。

質問3:アドトラックの問題に対し、札幌市として、今後どの様に取り組んでいく考えなのか伺います。

答弁概要
繰り返しとなるが、法令による規制は極めて慎重な判断を要することから、先ずは、アドトラック事業者に対し、札幌市に寄せられた市民の声を伝えるなどして、少しでも市民感情に配慮した広告となるよう働きかけを行っていきたい。  
また、より効果的な手法について、同じ問題を抱える他の政令市とも十分に情報交換を行うなど、引き続き調査・研究を行ってまいりたい。 

要望
・GX特区を目指す札幌のポテンシャルの高さは、「都市と自然が調和した世界でも類を見ない魅力的な街」とあります。
世界中からGXに関する資金や人材、情報を集積しようとする都市の姿として、不特定多数の人が見ることに配慮したデザインであるとは思えない風俗関連のアドトラックが昼夜問わず走行する札幌がはたして魅力的なまちにふさわしいのか考えると、とても残念だし、むなしく思います。
市民も観光客も大人もこどもも安心して街歩きができる札幌都心に向けて、共に取組んでいきましょう。


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篠田江里子

篠田江里子

プロフィール

1950年東京都生まれ、横浜市、名古屋市育ち、慶応義塾大学卒業、結婚により札幌市へ。

専業主婦を経てローラアシュレイジャパンで社会人復帰、札幌・東京の店長やマネージャを務め、2006年退社。

東京赴任中、円より子主宰“女性のための政治スクール”に参加。民主党さっぽろ公募を経て2007年札幌市議会議員に初当選以来5期目の活動。

各常任委員会委員長、予算・決算特別委員会委員長、
冬季五輪招致・スポーツ振興調査特別委員会委員長、
札幌市都市計画審議会委員、
議会運営委員会副委員長、

新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会副委員長歴任。
今期、第42代札幌市議会副議長。
(家族:既婚の娘二人、母)

活動履歴

  • 札幌市DV(配偶者間暴力)被害者支援ボランティア
  • 札幌市食生活改善推進委員
  • 高齢社会を良くする女性の会、I女性会議、ゆいネット、BPW会員、SI札幌会員
  • 保護司・札幌認知症の人と家族の会
  • 環状通東商工会委員、すすきの観光協会理事
  • 元立憲民主女性議員ネットワーク会長