10月15日 保健福祉局「札幌市の認知症施策について」

2025.10.30
10月15日 保健福祉局「札幌市の認知症施策について」
札幌市の認知症施策について
(1) 札幌市認知症疾患医療センターの実績について
・札幌市において高齢者人口が年々増加する中、認知症は誰もがなりうる身近なものになっている。
・認知症は早い段階から適切な治療を受けることで、改善が可能なものや進行を緩やかにできる場合がある。また、症状が軽いうちにご本人やご家族が認知症への理解を深めることで、今後の生活の準備をすることができる。
・札幌市においては、2024年(令和6年)3月から認知症疾患医療センターを指定しており、現在、札幌医科大学附属病院と北海道医療センターの2つの医療機関が稼働している。
・札幌市認知症疾患医療センター運営事業実施要綱によると保健医療・介護機関等と連携を図りながら、地域において認知症に対して進行予防から地域生活の維持まで必要となる医療を提供できる機  能体制の構築を図ることを目的としており、認知症の早期診断及び新薬の治療を含む早期治療といった専門医療機関機能や地域の認知症医療との連携機能といった地域における認知症医療の中核としての機能を発揮することが期待されている。

質問1:札幌市認知症疾患医療センターのこれまでの実績について、お伺いします 。

≪答弁≫
●令和6年度から令和7年9月までの1年6か月間の相談件数は相談234件、外来受診相談291件、内容は確定診断や治療に関するものが多く、相談者は家族が最も多い。
専門医療機関として認知症新薬の投与を含め、高度な認知症医療を提供するために地域の17か所の医療機関と連携している。認知症医療提供体制の構築の活動実績としては医療・介護関係者向け研修会の講師等9件、認知症医療に関する会議や情報交換会の参加8件、市民向けの普及啓発や情報発信8件となっている。

(2)認知症疾患医療センターと地域の医療機関や関係機関との連携について
・高齢者人口の多い札幌市では認知症高齢者も増加していると聞くが、認知症疾患医療センターへの相談件数は思いのほか少ないように感じる。
・認知症のご自身やご家族が、認知機能について違和感を感じることが多くなっても、認知症を否定し、相談をためらうなど適切な相談機関や医療につながるまでに時間を要する場合も少なくない。
・認知症疾患医療センターの役割には、認知症の早期診断・早期治療があるが、あくまでも確定診断的な要素が多く「何か変」「どこかおかしい」という初期段階での相談については、身近なかかりつけ医が果たす役割が大きいと思われるが中には、かかりつけ医で認知症と診断されたものの、この後どうしたらいいといった助言は何もなかったという声も聞く。
・そもそもかかりつけ医がいない方も多く、家族会などに直接相談される方も多いと聞く。
・家族や周りの対応が認知症の進行を緩やかにするということもあるため、認知症と診断された後は、ご本人のみならず、家族に対する支援が不可欠である。
・認知症支援は、どこかひとつの病院、機関が担うものではなく、病気の進行状態や世帯の状況などによって、その時々で関係しているところが連携を図りながら重なり合いながら行うものであり、 
認知症の方ご本人と家族を含めた切れ目のない支援のためには、認知症疾患医療センターとかかりつけの医等の地域の医療機関及び地域包括支援センターなどの関係機関との連携が極めて重要であ る。
・認知症の人は身体合併症のある方も多いが、身体合併症で救急に搬送する際に一般病院では断られることも多く、認知症疾患医療センターならば身体合併症の急性期治療をしていただけるのは安心するところ。
 
質問2:認知症疾患医療センターと地域の医療機関や関係機関の連携強化が重要と考えるが今後どのように取り組んでいくのか伺う

≪答弁≫
●認知症の方ご本人と家族を地域で切れ目なく、支えていくためには、認知症疾患医療医療センターと日常的に高齢者の体調や世帯の状況を把握しているかかりつけ医や高齢者の総合相談機関である地域包括支援センターなどの支援関係機関との連携強化のため、これまでも合同の研修会や情報交換会を実施している。
●このような取組の中で、顔の見える関係づくりが進み「最新の情報を得ることができた」「認知症疾患医療センターへの相談の敷居が下がった」などの意見が聞かれており、早期受診や診断後の支 
援などの課題や連携した対応の必要性について共有する場となっている。
●また認知症の方を地域で支えるためには、切れ目のない医療の提供が不可欠であることから札幌市医師会と認知症疾患医療センターの懇談会を開催し、具体的な連携方法について意見交換を実施し 
ている。
●今後も認知症疾患医療センターが、地域連携拠点機能を十分に発揮できるよう地域の医療機関や支援機関との多様な接点を創出し、認知症支援のネットワークの構築に努めてまいる。

(3)認知症に対する市民理解の推進について
・2024年(令和6年)1月に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」では、国民が認知症に関する正しい知識及び、認知症に関する正しい理解を深めることができるようにする 
ことが求められている。
・札幌市においても、市民が認知症を予防するための生活習慣や認知症の早期診断・早期相談の必要性に関する理解、認知症になっても希望を持っていきいきと生活ができるという認知症観の理解が必要。
・そこで、支援者の対応力の向上やネットワーク構築だけではなく、市民ひとり一人の認知症への理解を得るためには、認知症サポーターの養成だけではなく、もっと多くの市民に広く普及啓発が必要ではないか。

質問3:認知症に対する市民理解の推進についてどのように取り組んでいるか、お伺いします 。
≪答弁≫
●認知症の普及啓発活動としては、9月21日の「認知症の日」に際し、札幌市のランドマークであるさっぽろテレビ塔、札幌市時計台及び札幌駅前通地下広場を認知症支援のシンボルカラーであるオレンジ色にライトアップした。
●また、市民向け研修会を認知症疾患医療センターの医師を講師に開催した他、障がいや認知症についての理解を深め心のバリアフリーを考える機会の提供として、当事者や支援者による講演や活動報告、トークセッションといった市民向けイベントも開催したところ。
●今後は、チームオレンジの体制整備を進め、認知症の方やその家族と地域住民が共に語らい活動することを通じ、認知症の方ご本人・ご家族の思いを日常的に広く伝えていきたい。

要望
・札幌市に2か所の地域型の認知症疾患医療センターができたことで、ここでは認知症の方への速やかな鑑別診断や行動・心理症状と身体合併症に対する急性期医療、専門医療相談、関係機関と連携、研究会の開催などを担うことが可能となった。
・9月18日に札幌市保健福祉局介護保険課と「認知症の人と家族の会」が共催した「認知症の人を正しく理解する研修会」では日中にも関わらず、エルプラザホールほぼ満席の市民が訪れ、認知症に
ついての関心の高さがうかがえた。
・北海道医療センターにある認知症疾患医療センター脳神経内科の南副院長から認知症との付き合い方(認知症の本人・家族を支える医療)を学び、新たな認知症観、認知症の人を「できることがな
い」存在としてではなく、一人の個性と能力を持つ個人として尊重することなどを学んだ。
・とは言え、医療や介護に繋がっていない認知症の人、特に頑固に受診を拒否する人への支援にあたる「認知症初期集中支援チーム」の活動が見えていないとの声もある。
・全国のすべての市町村に設置されている「認知症初期集中支援チーム」は「困った時の最後の砦」とも言われており、札幌では地域包括支援センターの専門職や認知症サポート医等で構成されたチ
ームが稼働しているが、市民には中々知られていないとのこと、是非、身近に支援を要請できるようアナウンスしていただくことを求め終わる。

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篠田江里子

篠田江里子

プロフィール

1950年東京都生まれ、横浜市、名古屋市育ち、慶応義塾大学卒業、結婚により札幌市へ。

専業主婦を経てローラアシュレイジャパンで社会人復帰、札幌・東京の店長やマネージャを務め、2006年退社。

東京赴任中、円より子主宰“女性のための政治スクール”に参加。民主党さっぽろ公募を経て2007年札幌市議会議員に初当選以来5期目の活動。

各常任委員会委員長、予算・決算特別委員会委員長、
冬季五輪招致・スポーツ振興調査特別委員会委員長、
札幌市都市計画審議会委員、
議会運営委員会副委員長、

新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会副委員長歴任。
今期、第42代札幌市議会副議長。
(家族:既婚の娘二人、母)

活動履歴

  • 札幌市DV(配偶者間暴力)被害者支援ボランティア
  • 札幌市食生活改善推進委員
  • 高齢社会を良くする女性の会、I女性会議、ゆいネット、BPW会員、SI札幌会員
  • 保護司・札幌認知症の人と家族の会
  • 環状通東商工会委員、すすきの観光協会理事
  • 元立憲民主女性議員ネットワーク会長